「与えるだけでなく、奪わない」サポートの大切さ

新学期が始まり2か月がすぎました。

始めのころは、新しい環境に慣れようとある意味、前向きに頑張れていたのが、慣れるにつれて少しずつ疲れもあらわれてくる頃でしょうか。

子どもにとって、慣れない環境の中で自分を知ってもらい、難しいことをサポートしてもらえるよう周りに自ら働きかけることはとても大変なことです。

「難しいことがあったら、お願いしてもいいんだよ。」
「できなかったら、『できない』って言うんだよ。」
と、ご家庭でも声をかけてくださっていると思いますし、教室でもそのように声をかけています。周りに必要なサポートを求められることは大切なことの一つです。

ただ、「皆と同じようにできるようになりたい」と思っている子どもにとって、「自分だけが難しい」「自分だけができない」という状況は悔しく辛いことのように思います。
まずは、その気持ちをわかってあげたいですね。

のびーくでも、「お手伝いしようか?」と声をかけたり、答えのヒントを出そうとすると、
「待って、できるからっ!」と強い口調で拒否する子どももいます。
ご家庭でも同じようなことはあるのではないでしょうか。

「せっかく、手伝ってあげようと思ったのに・・・。」「そんな言い方しなくても。」と思ってしまいますよね。
でも、そんなときも「オッケー。」と何ごともない風を装って、温かい心で待ってあげてください。
子どもがなんとかして、少しでも自分でできることを探っているところです。

 

こんな時、のびーくでも、「どこまで一人でできそうかな。。。」と見て見ぬふりをしながらそっと見守ります。
いよいよ難しく、子どもに「ヘルプ」の表情が見えたら「すごいね!ここまでできたね!」とチャレンジした頑張りと、できたことを褒め、その先のステップを静かにサポートします。

そうすると、見守ってもらえたこと、できたことを認めてもらえたことで、子どもは安心し、次のチャレンジに繋がる気持ちが生まれるでしょう。

 

最近「サポート」の仕方についてハッとさせられることがありました。
ある人が病気を克服したのだけれど、以前できていたことが難しくなることが出てきました。人一倍自立心の強いその人は、一人でできるかもしれないことは、助けをきっぱりと拒否することがあるそうです。それに対し友人がこんな風に言いました。
「なんでもこなす人だったから、きっとそうなるのが目標のはず。与えるだけでなく、自立のチャンスを奪わないことも大切だと思う。だから、さりげなく支えていこう。」と。
本当にその通り。この言葉は心に響きました。。。

 

学びやコミュニケーションにおいて、特性を持つ子どもたちと接するとき、「どのようにサポートするか」、「どこまでサポートするか」その加減や見極めは難しいですね。
子どもが、できなくて辛い気持ちでいるのを想像し、ついつい先回りしてやってあげたくなってしまいますが、
「自分でできるようになりたい!」という子どもの気持ちを尊重し、温かい気持ちでチャレンジを見守ることも大事なサポートのひとつだと感じます。

そして、特性を持つ子どもだけでなく、社会の中で色々な困り感を持つ人にも、このような、みんなの優しい気持ちが広がっていったらいいな、と思います。