「発達障害」とは「成長とともに明らかになる困難さ」

のびーくのアズマです。夏休み、いかがお過ごしでしょうか。
皆さんがのんびり楽しい夏を過ごせているとよいなと思います。

もしかすると、進学・進級とともに迎えた1学期に「いろいろ心配なことが出てきて、これからが不安」という方もいるかもしれませんね。

「これまで問題なかったのに、発達障害かもしれないから検査をするようにいわれた」と、戸惑っている方もいるかもしれませんね。

でも、発達障害は「成長とともに明らかになる困難さ」であるので、「気づけなかった」と焦ることはありません。またその「困難さ」は、環境調整で軽減できるので、心配しすぎることもありません。

今日は、そんな方たちの参考になればと、①改めて「発達障害とは」を整理し、②「環境を調整する」ということについて、お伝えします。

①発達障害とは

発達障害は、「生まれつきの特性」と説明されますが、特性が目立ってくるのは、成長の過程でのことです。生活が社会的になっていく中で、それまでは気にならなかった特性が、「社会性を問われる場」では「問題」とみなされていくようになるのです。

小児科医の慶應義塾大学医学部教授・高橋孝雄氏は、学校からいわれて来院した方の中には、「ちょっと活発だけど家ではいい子」と、ぴんときてないケースもある、として、次のように言います。

「何よりお子さんが『楽しい!』と園や学校に通っているなら、それはセーフなんです。わざわざ病名を付ける必要もない。」(日経Gooday もっと教えて!「発達障害のリアル」より)

発達障害は、あいまいさのある診断名です。加えて、診断がついたからといって治療法があるわけではなく、治すべきものでもない。
高橋氏が「わざわざ病名を付ける必要もない」というとおりで、診断名を重く受け止め過ぎることはないと思うのです。

②環境を調整する

「ただやはり、障害というニュアンスはある」と高橋氏は言います。

「『あなたが障害者』と言っているのではなくて『いろいろ困ったことに多く出合うよね』という意味です。」

「困難さを感じる、ともいえます。強い個性のために、日常生活で不利な場面もあるということです。」

お子さんが「困っている」ようであれば、何とかしたいですよね。
でも、「お子さんを」なんとかする、ということではありません。

「まったく同じ症状の人が2人いたとして、一方は日常生活に困難を感じ、一方は感じていなければ、前者は発達障害と診断されて、後者はされない」

と、「同じ症状」でも、「障害」を感じたり感じなかったりするのであれば、問題は「症状」ではないのではないでしょうか。問題を生じさせている「環境」の方を何とかすることが有効なのではないでしょうか。

のびーくの個別指導でも、特性に合わせて「どういった方法がわかりやすいか」と学び方の工夫を考えます。
また、高学年になってくると、「自分を理解する」ということを大事にしていき、自分の特性を知って、合う環境を前向きに選んでいけることを目指します。

「症状」を何とかして「フツウ」にしようとする努力はなかなか報われず、勉強嫌いや自己否定につながりがちだからです。

 

最後に、

「『IQが80しかなくて……』なんて相談はよくあるんですけど、『正常です』が答え」
「『せめて100』という気持ちになるらしいのですが、100からプラス・マイナス30は『普通』。」

とする高橋氏の言葉も紹介しておきましょう。

特性やIQが平均的でないことを問題視するのでなく、「困っていること」を見極めていきたいですね。

さて、夏休み。
集団生活では「問題」とされた特性も、自分のペースで過ごせる家庭では「気にならない」という方も多いのではないでしょうか。

せっかくの時間、ゆっくりのんびり、楽しんでくださいね!

 

 

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