学習をやりたがらない時のすすめかた
こんにちは。
まなび舎 のびーくのニハシです。
今日は、子どもが学習をやりたがらない時にどのように進めたらよいのか、教室での具体例を挙げてお話したいと思います。
教室で子どもが問題をやりたがらない時には、何かしらか”わけ”があります。
たとえば・・・
- 問題が難しいと感じている。
- まだ一人で解く自信がない。
- 間違いが続いて自信がなくなっている。
- 体や心が疲れている。
これらの”わけ”は、子どもに聞いてもはっきりと答えられない場合が多いです。
本当の理由とは違う理由で伝えることもあります。
また、「わからない。」「難しい。」と伝えらえるとよいのですが、それが言えなくて辛い気持ちになっているので、
あえてその言葉を求めず、気持ちを察してサポートすることもあります。教室で過ごすことに安心し、講師と信頼関係が築けて、自然に伝えてくれるようになるまで待ちます。
1から4のサポートですが、
まず、4の場合は無理をせず、少しリフレッシュする時間をつくります。
1から3については進め方に少し工夫が必要ですね。
わかりやすいように、低学年のかけ算の九九の学習を例にします。
2から5の段が言えるようになり、6の段をする時にやりたがらなくなってしまった場合、
2から5の段が上手に言えるようになったことを褒めてあげ、得意な段を順番に自分で選んで暗唱していってもらいます。ここで“自分で選ぶ“というのがポイントです。
この時、もし途中で間違えたり、忘れたりしても、サラリと正解を伝えるだけにします。ここで間違えた時に言い直しを促すと、得意な気持ちが萎んでしまうかもしれないので、温かい気持ちで見逃してあげましょう。
そして、いよいよ6の段です。
やりたがらない時はきっと不安な気持ちでいっぱいだと思うので、いきなり一人で暗唱させることはしません。
まずはこちらが暗唱するのを聞いてもらいます。その次に、すでに答えが書いてあるプリントを見ながら、式はこちらが言い、答えだけ子どもに言ってもらいます。例えば6×1=6(ろくいちがろく)なら、「ろくいちが」まではこちらで言い、「ろく」だけを子どもに言ってもらうという感じです。数字を見て言うだけなので、「言えなかったらどうしよう。」という気持ちがかなり軽くなると思います。
その掛け合いを何回か繰り返します。
慣れてきたら少しスピードアップすると、わくわくスリルがあって楽しんでくれたりします。
様子を見て、その日はそこで終わりにすることもありますし、「一緒に言ってみる?」と聞いて「うん!」と言えば、答えが書いてあるプリントを見ながら式と答え両方を一緒に暗唱します。
かなり、のんびりとしたペースに見えると思いますが、ここでは「できる」ことよりも、「やってみようかな。」と思えるようになることが目的なので、その気持ちが見えたらその日は花丸です!
そして、次の機会に取り組む時も、いきなり6の段の暗唱から始めるのではなく、必ず得意な段をいくつか言ってもらってから、同じように「ろくいちが」→「ろく」の掛け合いからスタートし、「一緒に暗唱」→「一人で暗唱」とステップを踏んでいきます。
自信がついてくると、自分から「6の段言えるよ!」と言ってくれるようになります。
高学年は学習内容も異なり難しくなってきますが、その子の理解度と気持ちに合わせて丁寧に、「やってみようかな」を引き出す見守り方は同じです。
学校の進度や周りの子のペースに合わせようと焦ってしまいがちですが、一番敏感に感じているのは子ども自身です。
焦りと不安でいっぱいになっているので、そこに「がんばらなくちゃダメよ」とプレッシャーがかかると、もうどうしていいか分からなくなってしまいますね。
子どもたちの「できるかも。」「できた。」の得意そうな表情を見るのは、うれしい瞬間です。
その子のペースで焦らずに…
それが、「やりたくない」から「やってみいようかな。」の一歩に繋がると思います。
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