”漢字修行”はやめましょう。~自分の工夫を大切に~
こんにちは。まなび舎 のびーくのニハシです。
今回は、相談が多い「漢字」についてお話します。
漢字については、
- ドリルなど漢字を練習したがらない。
- 漢字が覚えられない
- 漢字がきれいに書けない
- 文の中で使えない
- 音・訓の読みの違いが理解できず、例題に出てきた言葉しか書けない
などの相談を受けることが多くあります。
これらの漢字の苦手の背景には色々な要因があり、それらの要因が複数重なっていることもあるので、ひとつの要因を解決したらできるようになる、というわけではありません。
例えば、主なものでも
- 視覚認知に困難さがあり、形をとらえるのが難しい
- 手先の不器用さ、目と手が協応しにくい。体幹を保てない。
- 不注意の傾向があり、細部まで見るのが難しい。注意を保ちきれない。
- 興味、関心に差がある
のようなものがあります。
まなび舎 のびーくの教室では、漢字の学習の困難さの背景にあるものは何か、子どもの様子を見ながら見極め、ただ”できるようになるため”だけではなく、子どもが“意欲を持てること”を第一に学習を進めています。
ですので、修行のように、ただひたすら文字を書かせるような学習はしません。子ども自身が自分の苦手さにどのように工夫していけば自信が持てるようになるかを、一緒に考えていくのです。
例えば、
- 文字だけでは情報が覚えにくい場合は、絵カルタなどを使い文字の意味をイメージしやすくする。
- 視覚優位の子どもには、漢字をパーツごとに分解してみる
- 聴覚優位・言語理解が得意な子どもには、語呂合わせ
- 自分で方略を練るのが好きな子どもは、自分で覚え方を考えてみる
- 手先が不器用な場合、鉛筆のように道具を使いこなせないことがあるので、指でタブレットに書くところから始める。
- 興味のあることなら覚えていけるタイプの子どもには、教科書の単元に関わらず、自分の好きな言葉の漢字、書きたい漢字を選んで書いていく。
また、少しでも漢字に興味が持つきっかけになるよう、
- 漢字をパーツごとに切ったオリジナルの漢字パズル
- 漢字の熟語を使った漢字しりとり
- 知っている漢字を組み合わせた創作漢字
などに取り組みます。教室の廊下には、子どもが作った創作漢字を「どんな意味の漢字でしょうか?」とクイズにして張り出したりすることもあります。漢字嫌いの子も、クイズになると興味を持って考え、答えを書き込んだりしています。
そして高学年になり、自分の苦手なことに対しての工夫の仕方が少しずつ分かってくると、漢字の覚え方を一人で工夫できるようになります。ただ何度も書くのではなく、意味を考えながら書いたり、漢字テストでは「満点を取る」とか、高い点数を取ることを目標にするのではなく、書けそうな字を自分で選びその字を書けることを目標にしたり、自分に合った学び方を選べるようになっていきます。
教室では「漢字が書ける」、「100点を取る」ことを目指すのではなく、「自分に合った方法」を知って、選んでいけるような人になってほしいと願っています。
そのために、自分のことを知ることができるよう、学習を通して子どもと丁寧にコミュニケーションをとっています。
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