ことばの学習③ 出来事を伝えよう ~聞き出すためのひと工夫~

こんにちは。まなび舎 のびーくのニハシです。

今日は、まなび舎 のびーくで大切にしているコミュニケーション学習

  1. 情報を取り入れる(インプット)→読む・聞く・見る
  2. 情報を伝える(アウトプット)→話す・書く
  3. 1・2を相互に使い、会話のキャッチボールをする

のうちの2.情報を伝える(アウトプット)→話す・書くの工夫についてお話します。

”情報を伝える”というと、なんだか堅苦しい感じがしますね。
ここでいう”情報”というのは、「出来事」「気持ち」「様子」など、誰かに伝える内容のことです。

ご相談を受ける中で
「今日あったことを聞くんですけど『わからない』『忘れた』と、話してくれません。」
「学校であったことを聞いても、思いつくまま話すので、話の順番がぐちゃぐちゃです。」
ということを聞きます。

お子様が楽しそうな時、話を聞いて一緒に笑ったり、また、落ち込んでいる様子の時、何があったのか話を聞いて、元気になる言葉をかけてあげたりしたいですよね。
なかなか話せないと「何があったの?」「どうしたの?」「なんでわからないの?」「話してみて。」と、どんどん言いたくなってしまうと思いますが、そこはちょっと我慢してお子様のペースに合わせてみてください。

まず、「あったことを伝える」というのは、「思い出す」ということが必要です。
相手に伝えるには、あったことを思い出すだけではなく、さらにそれを順番に並び変え、適切な言葉も考えないといけません。
特に、発達の傾向によっては、色々な出来事が頭の中いっぱいに整理されないまま入っている状態のこともあり、その中から聞かれたことを「探し出して」答えなくてはなりません。イメージとしては、部屋の中に色んなものがあふれていて、その中から何かを探し出す、、、という感じでしょうか。
これは、周りが思うよりも大変です。
ですので、大変すぎて「わからない。。。」となってしまったり、見つけ出した順に伝えてしまったりして、順番が前後してしまうことがあります。

そこで、伝えやすくするために、話を聞く側も、ちょっとした工夫をしてみましょう。

  • 思い出すきっかけとなる言葉や、モノを出してみる
  • 順番に伝えられるよう、聞く側が話を整理しながら聞いてあげる
  • 言葉が思い出せない時は変わりに言葉にしてあげる

思い出すきっかけとなる言葉やモノを出してみる

何かきっかけがあれば、思い出すことが簡単になることもあります。
連絡帳を使って時間割を見ながら話してもらったり、プリント、絵、写真などでもいいでしょう。また「中休み」「給食の時間」「●●さん/くん」などキーワードになる言葉を出してあげてもいいと思います。

順番に伝えられるよう、聞く側が話を整理しながら聞いてあげる

とにかく聞いてほしい気持ちがいっぱいで、記憶に強く残っていることからどんどん話してしまうことがあります。そんな時は、子どもの聞いてほしい気持ちを受け入れて、順番が前後しても、一度全部話をしてもらってもよいですね。
その上で、聞いた話を「はじめに~だったんだ。」「それで、~だったんだね。」「次にどうしたの?」と聞く側が話を順番に並べ替え、もう一度一緒に話してみるとよいと思います。
また、「いつ」「どこ」「だれ」「どうした」の順番に質問してあげるのもよいと思います。

言葉が思い出せない時は変わりに言葉にしてあげる

子どもが話している時「ほら、ほら、あるじゃん、あれ、あれ」と言葉が思い浮かばず、話が止まっていまうことがあります。そんな時は「●●ってこと?」と適切な言葉にして聞いてあげたり、言いたいだろうことを文にまとめてあげたりするとよいですね。そのことで、新しい語彙を覚えて、表現の幅が広がっていきます。

 

伝え方が上手になるには、伝える側だけでなく、聞く側の工夫も大切です。
「聞いてくれる」という安心感が「話したい!」という気持ちにつながります。

伝えることが苦手でも、ゆっくり時間をかけて向き合ってもらえる経験を重ね、
伝えること、気持ちに共感してもらうことから、人と関わることの充実感を感じてほしいなあと思っています。

 

★こちらの記事もご覧ください。★
●言葉の学習① バランスよくつけようコミュニケーションの力

言葉の学習② インプットの工夫~「知りたい!」気持ちを大切に~